おやこ美文字通信 

行書を美しく書く基本とは~大人の美文字に挑戦してみませんか?~

1.美しい行書に憧れませんか?

サラサラと流れるように書かれた『行書』

美しく書かれた行書に、憧れを持っている方もいらっしゃると思います。

行書で書かれたハガキや手紙を書いてみたい、そう思ったことが一度はあるのではないでしょうか。

でも、

「行書って難しそう」

「どうやって字をくずしたらいいのかわからない…」

というように、普段書いている楷書とくらべて、行書を書くというのはハードルが高く感じられますよね。

楷書を書くことができれば、日常生活には困ることありません。

では、行書を使う目的や、行書を身につけると得られる良さはどこにあるのでしょうか?

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2.行書は実用的かつ美しい文字

実は、大人の方にとって、行書は身につけておくと大変便利なスキルです。

もちろん継続した練習は必要なのですが、いくつかの法則にのっとって覚えたり書き込んだりしていけば、初めてでも、書道を習っていなくても身につけることができます。

そして、大人の手習いにふさわしい書体だといえます。

その理由は次の2点です。

1. 速くきれいに書くことができる。

2. 行書を知らない相手にとっても、読み進めることのできる文字である。

これら2点について、詳しく説明していきたいと思います。

①行書のよさ~速くきれいに書くことができる~

行書は文字を崩して書いたり、次の文字とつなげて書いたりするため、楷書より速く文字を書くことができます。

楷書では、書き始めと書き終わり(起筆・始筆、収筆・終筆ともいいます)や、とめ、はね、はらいなどを1画1画きちんと書きます。そして、書き終わった後も次の画に移動し、ペン先を置きなおす動作があるので、紙の上での筆記具の上下運動が大きくなります。

しかし、行書では、起筆や収筆も軽く、ある画から次の画へと最短距離でつなぐ線をえがくため、筆記具の移動が少なくて済むという良さがあります。このように、ペン先の上下の動きが少ないために、行書は文字を速く書くことに適しているのです。

②行書のよさ~速く書いても相手にとって読みやすい字である~

素早く書いたり、崩して書いたりすると、逆に読みづらくなってしまうこともあるでしょう。

文字と言うのは、相手に読んでもらうことや自分が後で読みかえすことを前提として書かれるので、できるだけ読みやすい文字だということが前提条件となってきます。

行書よりも、さらに簡略化した草書という書体もあります。

草書は速く書くことはできるのですが、元の漢字がわからないくらい点画が省略されているので、私たちが普通に読むためには難しい文字となってしまいます。

ですから、一般的に草書より行書が多く用いられている理由は、速さと読みやすさのバランスを考えてのことなのです。

このように、行書ならではのよさがあることはお分かりいただけましたか?

行書は、大変実用的なバランスの取れた文字だといえるのです。

3.行書を学んでみませんか?

中学校の国語科書写では、行書を学習します。

私の教室でも中学生になると行書を指導しますが、最初は難しそうだと感じていた子も継続して指導を受けることで、行書の書き方を理解し、書くことが楽しくなるようです。

そして、楷書より筆の流れを感じられる行書の方が好きだという子が多いです。

また、行書は書く際にペン先の動きが少なく済むため、長く書いても手が疲れにくいという良さもあります。

このように実用的かつ楽しんで取り組める行書を、ぜひ大人の方にこそ学んでいただけたらと思います。

次に、行書を学ぶ際に知っておきたいポイントを簡単にお話していきたいと思います。

4.行書の基本

行書を書く時には、”4つの基本ルール”があります。

①点画を連続して書く

・行書といえば、つなげて書く文字という認識でしょう。点画を連続することで、速く書くことができます。

②点画を省略して書く

・本来なら、2つある画をつなげて1画として書いたり、点が4つあるところを3つに省略して書いたりします。

③点画を変化させて書く

・右払いを軽く止めるように書いたり、楷書なら止めて書く画をはねて書いたりすることがあります。

④筆順を変化させて書く

・効率よく書くために、筆順が変わる字もあります。

例えば、草冠の書き順がそうです。

草冠は、楷書ですと①横画 ②左の縦画 ③右の縦画

の順番に書きますが、

行書では、①左の点画 ②右の払い ③横画 となります。

このような筆順の変化が見られることもあるのです。

もちろん、このルール以外にも原理原則がありますが、今回は基本的なところを紹介させていただきましたので、参考にしていただけたらと思います。

5.まとめ

行書について、今までと見方は変わりましたか?

難しそうに見える行書ですが、少しでも興味を持っていただけたらうれしいです。

書道教室や習字教室で習うこともできますが、手軽に学べる通信講座でも行書の基礎を身につけることができます。

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字を手書きすることで、気持ちも穏やかになります。

また、文字と心の関係性については、

ブログ『文字を書くことが心を整える!~手書き文字とマインドフルネス~

も参考に見てください。

このような時だからこそ、おうちでじっくり文字を書く時間をとってみてはいかがでしょうか。お子さんと一緒に練習することもできます。

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