おやこ美文字通信 

字を書く時の利き手について~お子さんは右利き?左利き?~

1.お子さんは右利きですか?左利きですか?

書道教室や学校でも、左利きのお子さんが増えています。

昭和生まれの私の時代には、右利きに矯正したという話をよく聞きましたが、今はお子さんの利き手について、無理に矯正はしないという考えが主流です。

また、左利き用のハサミや、左利き用の包丁、やかんなど、専用の道具も取り扱われていて、生活への不便さも昔より解消されています。

左利きはプロスポーツ選手に多いそうで、メジャーリーガーの約3割が左利きだということですが、スポーツの世界では左利きが有利にはたらくといえるでしょう。

ただ、自動改札機や扉の向きなど、多くの左利きの方にとって、世の中にはまだまだ不便さを感じる場面があります。

その中でも、お子さんにとって問題となるのが、鉛筆や筆を持って文字を書く時だと思います。今日は利き手について、文字との関わりからお話していきたいと思います。

2.なぜ毛筆では筆を右手に持ち替えた方がよいのか?

硬筆(鉛筆など)は左手でも文字を普通に書くことができるので、左利きの多くの方がそのまま左手で書いています。

でも、小学校や書道教室などで毛筆を書く時には、多くのお子さんが筆を右手に持ち替えて書いています。毛筆の場合は、左利きでは書きにくい筆運びがたくさんあります。

実際左手を使って、筆の穂先を斜め左上に向けて書くことはとても難しいです。左払いの筆遣いも同じです。

右利きの場合は自分の利き手側(右)の方向に払う時には、「右払い」となり形も変化しますが、左利きの子が左払いをしようとすると不自然な手の動きとなってしまいます。

このような書きにくさを感じないように、筆を右手に持ち替えることが多いのです。もちろん左手で毛筆を使うこともできますが、筆の扱いにくさをかなり感じてしまいます。

3. 硬筆を左手で書く場合

では、硬筆では書きにくさはないのでしょうか?

ご存じの方も多いと思いますが、日本語自体、漢字やひらがなは右利きで書く前提で出来上がっているために、どうしても運筆に難しい部分は出てきてしまいます。

そこで、右利きと同じように書こうとすると手に負担がかかってしまうので、持ち方や姿勢、紙の置き方を変えて対応しているお子さんが多いように感じます。

例えば、

● 手首を内側に巻き込むようにして書く。

● 紙を斜めにずらして書く。

● 文字の横画を右下がりに書く。 

というようにして書く子を多く見受けられます。

4.左手で美文字は難しいの?

このように、ある程度の書きにくさは感じてしまうかもしれません。

ですから、書写が専門の先生方も「できれば右手に直した方がよい」「難しい問題」というようにとらえていらっしゃるようです。

私も、左手で書く難しさは理解した上で、

・矯正はしなければならないが、ずっと文字を書くことを考えて右手に直す方がよいのか。

・矯正をしないで、左手でもきれいに書く工夫を取り入れていく方がよいのか。

お子さんの気持ちや性格をいちばんよく理解しているご両親と判断されるのがよいかと思います。

まだお子さんが小さく、抵抗なく持ち変えることができるようでしたら、思い切って文字を書くときだけは右手に変えてみる、ということも一つの手立てだと思います。

これまでお教室に通っていたお子さんで、左利きの子はたくさんいました。

私のお教室では、毛筆は右手で持つように指導しますが、鉛筆は左手のままで練習をします。利き手に関係なく、文字のポイントを理解すると、どの子もきれいな文字になっていきます。

そして、左利き特有の書きにくさを子ども達にも理解してもらった上で、無理がない範囲できれいに文字を書くことができるように工夫してもらいます。

左手であっても美しい文字を書くことができる子はいます。

右上がりは難しくても、きちんと整った文字を書き、学校でも先生から褒められる子もたくさんいます。

また、以前はお手本の文字が練習するマスの左側にあることが多く、左利きのお子さんはお手本の文字が手で隠れてしまう、といったことがありましたが、最近は学校のお手本や教科書なども、右利きと左利きの両方のお子さんが使いやすいような構成に工夫されてきています。

そのため、日本語が昔から右利きを前提に作られているということを分かった上で、左利きのお子さんも問題なくきれいな文字を書くことはできるのです。

5.まとめ

このように、”右手で書きやすい文字=日本語”なのですが、左利きのお子さんでも美しい文字になることはできるので、ご安心ください。

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